
高齢者講習とは?受講対象者とその内容を丁寧に解説
高齢者講習と認知機能検査は、75歳以上の高齢ドライバーが運転免許を更新する際に必要となる法定手続きであり、交通事故の防止や安全運転の意識向上を目的として実施されています。
近年、高齢者による重大事故が社会問題となっている中で、加齢に伴う身体機能や認知能力の低下に対応するために、道路交通法の改正により強化された制度です。
まず、75歳以上の方が免許更新の対象となると、更新手続きの前に「認知機能検査」を受けることが義務付けられます。
この検査では、記憶力・判断力など認知機能の維持状況を確認し、その結果によって次に受講する講習の内容が決まります。
認知機能に特に問題がないと判断された場合は、通常の「高齢者講習」を受けることになりますが、機能の低下が見られた場合には「特定講習」や「臨時適性検査」「医師の診断書提出」が必要となるケースもあります。
高齢者講習は、運転適性を再確認し、安全運転に対する理解を深めるための内容で構成されています。
講習の内容は主に2つに分かれており、1つは講義形式で行われる座学、もう1つは実車を使った運転実技です。
講義では交通ルールの再確認や近年の交通事故の傾向、体力・視力の変化に対する注意点などが説明されます。
運転実技では実際の車を運転し、加減速やブレーキ操作、バック駐車などを講師が評価します。
これにより、加齢に伴う運転能力の変化を本人が客観的に認識し、安全運転への意識を高める機会となります。
受講は基本的に予約制で、案内のハガキが届いたら速やかに申し込みを行う必要があります。
準備としては、運転免許証、講習通知書、受講料、眼鏡や補聴器など普段の運転に必要なものを忘れずに持参しましょう。
また、当日は動きやすい服装で臨むとスムーズです。
講習や検査の内容に不安を感じる方も多いかもしれませんが、試験ではなく“再確認”の場であることを理解することが重要です。
特にご家族がいる場合は、受講前後のフォローやスケジュール調整を一緒に行うことで、本人の不安を軽減することができます。
この制度は運転免許を失うことを目的としているのではなく、高齢ドライバーが今後も安全に運転を続けるための支援であり、適切な運転ができる限り免許の更新は可能です。